植物園でエネルギーをチャージ
こんにちは。せいのちさとです。
このニュースレターでは、最近の制作についてや、マニアックな制作の裏側についてなどをお伝えしていきます。気になるところから読んでみてくださいね。
目次
特集「植物園でエネルギーをチャージ」
最新情報
※個展準備の時間を捻出するため、「ものづくりコラム」の連載はしばらくお休みさせていただきます。
特集「植物園でエネルギーをチャージ」
温室でアイデアスケッチをしてみる
特集は、いま最も熱いトピックを制作現場からお伝えするコーナーです。
さて、最近は8月の個展に展示する作品を制作しています。しかし、2週間ほど前、私は少しアイデアに困っていました。制作する、つまりアウトプットばかりを続けていたためか、エネルギーが枯渇してきてしまったのです。
そこで、またしても植物園に取材に行ってきました。(今回は植物園の写真を撮るのを忘れてしまい、なんとも分かりにくい記事になってしまいました。ごめんなさい・・・)
植物園には、たいてい机が使えるスペースがあり、混雑していなければ何かを描くなどのちょっとした作業をすることができます。いつもは植物をスケッチするだけだったのですが、今回は個展のためのアイデアをそこで練ってみることに。
以前から通っている「筑波実験植物園」。こちらにも屋外や温室内に机と椅子が設置されています。幸運なことに、机のあるスペースにお客さんがいることはめったにありません。特に温室内のスペースは最高で、植物に囲まれながらアイデアを考えることができます。ここがアトリエなら良いのにな・・・、という気持ちです。
熱帯温室を歩き回り、その場で降りてきたインスピレーションを自由に描いた、さまざまなアイデアスケッチを中心にご紹介します。
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蛇とジャングルのイメージで描いたアイデア。
皆さんは蛇を間近で見たことがありますか?私は数年前、家の近所で初めて見ました。俊敏な上にとてもなめらかで、恐ろしいのに目が離せない動きでした。身の危険も忘れて見入ってしまう魅力が蛇にはあるようです。
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気に入った植物を見つけたら、本当はきちんと写生したいと思いつつも、あまり時間の余裕もないので、簡単なスケッチのほか、植物の名前だけでもメモを残します。家に帰ってから資料を集めて、記憶と混ぜ合わせながら描いていくためです。
デフォルメをする場合でも、植物は名前を調べて、花や葉の構造、模様の秩序などをできるだけ頭に入れてから描くようにしています。自然そのままの姿が一番美しいと思っているからです。
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下の画像はいくつかの植物を簡単にスケッチしたもの。
左上のスケッチはトケイソウ。つる性の植物で、小さいながら迫力のある花を咲かせます。今回の個展で描いてみたいと思っているモチーフの一つで、ぶらぶらと温室を歩いていたら、隅っこの方にひっそりと鉢植えが置いてあり、すかさずスケッチしました。英語名「Passion flower」は、花が「キリストの磔(受難=passion)」に似ていることから付けられた名前だそう。華やかな花姿とのギャップが面白いです。近年まで私はてっきり「情熱的な花」という意味だと思っていました。
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植物を単独で描くのも楽しいですが、ジャングル全体を描いてみたいという気持ちもあり、アイデアスケッチを重ねました。温室でスケッチをするのではなく、アイデアを練るというのは新鮮でした。
温室には多種多様な植物が所狭しと植えられています。葉が複雑に絡み合い、下の方は天井のガラス窓からさす光も届かない、まさにカオスです。それでも植物園は非常に人工的な秩序のある場所で、本物のジャングルはこの何百倍も複雑な場所なのだろうと想像します。
植物園から帰ってくると、体はくたくたでしたが、完全に充電されて、また創作への意欲が戻ってきたように感じました。
新作の構成を考える
溜まってきたアイデアをもとに、新作を描いていきます。今回はジャングルの多様性をイメージして、何種類かの植物を構成してみたいと思います。
もとになったアイデアスケッチはこちら。ヒョウがヤシの木や様々な植物に囲まれています。
最初は枠の中に植物を目一杯詰め込んだようなジャングルのイメージを描こうとしました。しかし、なぜかなかなか構図が決まりません。
私は枠の中にモチーフの形を収め、かつモチーフの構造がきちんとわかるよう、整理して描くことが好きです。しかしそのように描けば、必然的に秩序だった雰囲気になってしまいます。秩序があまりにしっかりしていると、鬱蒼としたジャングルらしく見えないということに、途中で気がつきました。(もちろん、自然界の中での秩序はあると思いますが)
4日ほど格闘して、秩序立てて描きたいという欲求と、ジャングルの無秩序を描きたいという欲求が拮抗していたことを発見し、ひとつ成長した喜びと、振り出しに戻る残念な気持ちになりました。
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今回は秩序を優先させることにして、気を取り直して新しい構図を考え始めます。
主役になるのはヒョウなのですが、この模様はヒョウ柄ではありません。どちらかというとチーターに近いです。ヒョウ柄よりも全体の雰囲気に合いそうだということで、水玉のようなチーター柄に登場してもらったというわけです。ちなみにチーターは熱帯雨林にはいません。この絵に描かれている動物について、整合性を追求しないでいただけると助かります。
模様を描き込んでみたところ。自分で描いたのになんだか気持ちが悪く、鳥肌が立ってしまいました。黒い丸が揃いすぎているのでしょうか。
描き直しました。だいぶ見やすく、可愛らしい印象になりました。
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ヤシの木はとても苦戦しました。実際のヤシの木を観察してみると、豊かに葉が生い茂って見える箇所と、葉が少なく閑散として見える箇所とがあり、それが「ヤシらしさ」につながっています。しかしここでは、枠の中に収めるためにかなりデフォルメをして、まんべんなく葉が広がっているように描いています。一枚一枚の葉の形にこだわったり、少し葉がめくれているところなどを取り入れたりして、別の部分で「ヤシらしさ」を表現できるよう工夫しています。
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ヘンヨウボクという植物。クロトンともよばれています。色や形が面白く、観葉植物としてよくみかけます。
ところで、熱帯雨林の中で、地表近くに生える植物が、いわゆる観葉植物として売られているということはご存知でしょうか?高い木々に日光を阻まれて、ジャングルの中は真昼でも薄暗い状態です。その状態が、適度な光の入る屋内に近いのかもしれません。観葉植物を屋外に出しておくと枯れてしまうことがあるのは、光が強すぎるためなのでしょう。都会的なビルのロビーで、人々に癒しを提供する観葉植物たちも、故郷の夢を見ることがあるのでしょうか。
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出来上がった下描き。登場する植物はココヤシ、トーチジンジャー、ピナンガ、ヘンヨウボク、ナンヨウスギ、マンゴーです。力強い造形の美しい植物ばかりなので、よかったらリンクを見てみてください。様々なモチーフをひとつの画面に入れるのは、初めての試みで難易度が高かったです。
現在はこの作品をさらに描きすすめており、もうすぐ完成というところです。制作過程はSNSであげているので、ぜひ続きもご覧ください。
最新情報
【個展のお知らせ】
東京・大井町の駅から歩いてすぐ「o-i STUDIO」にて、個展を開催します。
「Tropical Dream」
2026年8月27日(木)-30(日)/ 9月3日(木)-6(日)
木・金…14:00-20:00、土・日…10:00-16:00
在廊はもちろん、実演などもできたらいいなと思っています。詳しくはまたお知らせします。
こちらのニュースレターで進捗をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
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ここまで読んでくださり、どうもありがとうございました。
それではまた2週間後にお会いしましょう。クリエイティブで素晴らしい毎日をお過ごしください。


















